海外を旅行していると、活気を満ちた中にとても勢いを感じ、
以前の日本を懐かしく感じる事が有る。
昨年の冬と今年の夏にマレーシアを訪れる機会が有り、クアラルンプールの中心に位置する
ブッキビンタン周辺やこれから経済特区として開発が本格化する歴史的な古都のマラッカ等
を見て回り、そこかしこの建設ラッシュのと共に人々の若い活気に驚いた。
緑と調和しながら整然と区画された街並みに、ペトロナスツインタワーやKLタワーの
ランドマーク的な建物に世界一お得感の有るラグジュアリーホテルや何よりも夜中でも
活気の有るショッピングモールを見ていると、経済成長著しい頃の日本を懐かしく思い
とても気持ちは高揚しながら、反面、現在の日本と比べて少し寂しい気持ちになった。
日本とあまり変わらない国土面積の中に約3,000万人の人々が暮らし、
平均年齢29歳という若い力がこの国を牽引してゆく。
更に日本には皆無な石油やゴム、スズ等の資源が豊富にあり国の発展を支えている。
勤勉を売りにしたひと昔前の日本は、資源が無くても創意工夫による技術開発と生産性の向上、
優秀な労働力で優れた製品を海外に輸出して外貨を稼ぎ、日本経済は世界を席巻した。
しかし、今日の日本は以前に比べ労働時間を含む労働環境に対し制約が強まり
それが日本の経済成長の鈍化に影響を与えているように見える。
物心がついた時より少なからず日本の技術力による経済成長に日本人として誇りを持ちながら育ち、
まさか自分が年を老いる前に日本の凋落を目にするとは思いもしなかった。
これからの日本を考えると超高齢化社会を迎え労働環境に制約が多く資源が乏しい日本が、
資源が豊富で労働環境に制約少ない諸外国と、どう肩を並べて行けば良いか疑問になる。
要は働きすぎも当然良くないが、労働に対して制約が多すぎる事も国際競争力を失速させ、
やがて貧困を生み出していく事も事実で有る。
これからの日本は効率を追求しながらバランスの取れた施策を進め、力強かった頃に
少しでも近づけて貰いたいと切に願っている。